「物価上昇」と「老後2,000万円問題」

「物価上昇」と「老後2,000万円問題」

令和元年に金融庁が発表して話題になった

「老後2,000万円問題」を覚えていらっしゃるでしょうか。

夫婦の年金収入だけでは毎月約5.5万円ほど足りず、

それが30年続くと約2,000万円になるという試算でした。

当時はそんなに必要なの?と驚いた方も多かったかと思います。

この問題については、最近あまり目にしなくなりましたが、

もしかしたら今はもっと深刻化しているかもしれません。

それは、皆さんも実感されている通り、

食品や光熱費などが少しずつ値上がりしているからです。

テレビの街頭インタビューでご年配の方が

「年金暮らしなので、物価が上がって大変」

と答える場面はよく目にしますが、実際はどうなのでしょうか。

公的年金は、物価の上昇に応じて毎年見直しが行われていますが、

実は物価が上がった分だけ年金額がそのまま増える仕組みではありません。

令和8年1月23日に厚生労働省が発表した内容によると、

令和7年の消費者物価指数(CPI)の変動率が+3.2%だったのに対し、

令和8年度の年金額改定率は基礎年金:+1.9%、

厚生年金の報酬比例部分:+2.0%です。

いずれも、物価上昇率を下回る結果となっています。

これは、物価変動率が名目賃金変動率を上回った場合、

現役世代の負担を考慮して名目賃金変動率を基に年金額を改定するという仕組みと、

将来の財源とのバランスを取るための「マクロ経済スライド」という制度によるものです。

このような状況は本年度に限らず、

ここ数年続いている傾向でもあります。

では、私たちは老後に向けて、どのような準備をしていけば良いのでしょうか。

まずは、ご自身の年金見込額を知り、

生活費から「どれくらい不足しそうか」を把握することですが、

将来の物価上昇を踏まえて毎月の不足分を少し多めに見積もっておくと安心です。

その上で、預金だけでなく運用も含めた資産形成を考えます。

また、長く働くという選択肢を持つことも非常に有効です。

ここでポイントになるのが、公的年金の「繰り下げ受給」という仕組みです。

公的年金は原則65歳から受け取りますが、

66歳以降に受給開始を遅らせることができます。

受給開始を遅らせる月数1か月ごとに受給額が約0.7%増え、

その増額は一生涯続くのです。

例えば70歳まで遅らせると65歳時点の年金額の約42%アップ、

75歳まで遅らせれば最大84%のアップになります。

可能であれば、65歳以上も働きながら収入を確保しつつ

年金受給を遅らせて増やすという組み合わせが安心ですね。

ただし、受給開始を遅らせる分、

受け取れる期間が短くなるためトータルの受給額については確認が必要です。

(例)70歳0か月(増額率42%)で受給開始した場合、

65歳からの受け取り累計額を上回るのは82歳からです。

これからの老後準備は、「いくら貯めるか」だけでなく、

物価上昇や長生きを見据えた収入の設計が大事です。

年金の受給時期や働き方も含めて、早くから検討しておきたいところです。

私達は万一の保障としての保険、運用手段としての保険など、

目的に合わせた保障の持ち方をご提案させていただいております。

「今年は将来のお金のことをしっかりと考えたい」そんな方は、是非お気軽にご相談ください。

 

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