企業の備蓄セミナーで見えた「本当に使える防災」とは|コンパクト備蓄と帰宅リスクを考える

企業の備蓄セミナーで見えた「本当に使える防災」とは|コンパクト備蓄と帰宅リスクを考える

こんにちは、
リテラスFPパートナーズの一瀬です📝

先日、保険会社主催の
企業向け防災備蓄セミナー
に参加してきました。

弊社リテラスFPパートナーズは
「事業継続力強化計画」の
認定を受けている事業者でもあり、
9月には計画の見直しを予定しています。

ちょうどそのタイミング
での参加だったこともあり、
単なる情報収集ではなく
「自社の計画にどう反映できるか」
という視点でセミナーを受講してきました。

「防災備蓄って結局何を買えばいいの?」
という記事はウェブ上にたくさんありますが、
その多くはオフィス家具メーカーや
備蓄品販売会社が発信する
一般論的な商品紹介にとどまっています。

今回は、
保険代理店として
日々法人のお客さまのリスクに向き合っている立場から、
実際にセミナーで感じたリアルな検討ポイント
をまとめます。

特に
「置き場所」
「帰宅時の危険度」
「BCPの見直し」という、
企業防災を検討する際に
見落とされがちな
3つの視点を中心にお伝えしていきます。

この記事は、
以下のような方に読んでいただきたい内容です。

  • 自社の防災備蓄を見直したいが、
    何から手をつけていいかわからない総務・人事担当の方
  • オフィスが手狭で、備蓄品の置き場所に悩んでいる方
  • 事業継続力強化計画(BCP)の
    策定・見直しを検討している経営者・担当者の方
  • 社員の帰宅困難リスクについて、
    これまで具体的に考えたことがなかった方

🏢 オフィスの備蓄、「量」より先に詰まる問題は「場所」

企業防災を検討する際、
多くの担当者が最初に相談されるのが
「備蓄品リストは調べたが、そもそも置く場所がない」
という悩みです。
東京都の帰宅困難者対策条例では、
事業者に対して
従業員3日分の食料・水などの備蓄が
努力義務として求められていますが、
社員数が多い企業ほど、
その物量をオフィス内に確保するのは
簡単ではありません。

セミナーでも紹介されていましたが、
最近のコンパクト備蓄キットは、
数年前と比べてかなり進化しています。

特に印象的だったのは、
車に載せておけるタイプの備蓄キットです。

外回りの多い営業職がいる企業では、
オフィスの備蓄とは別に
「移動中に被災するケース」への備えとして
現実的な選択肢だと感じました。
実際に手に取ってみて、
「これなら購入しても運用できそうだ」
と思えるものが複数ありました。

▶ 備蓄品を選ぶ際に押さえておきたいポイント

  • 全社員分+来客・帰宅困難者向けに
    1割程度の余裕を持たせる
    (いわゆる「備蓄10%ルール」の考え方)
  • オフィス内と倉庫(または車内)に
    分散して配置し、
    1箇所が使えなくなるリスクに備える
  • 停電時にエレベーターが使えない前提で、
    重量物(保存水など)の置き場所を考える
  • パート・アルバイト・派遣社員なども含めた
    「在籍する全員」を対象に数量を見積もる
  • 賞味期限・使用期限の管理がしやすいよう、
    入れ替え時期をあらかじめ計画に組み込む

保管場所に関する考え方は、
法人保険のご提案時にも共通して
お話しする内容と重なる部分が多くあります。
工事業や賠償責任保険のご相談を
多くいただく中で感じるのは、
「備蓄品を買う」ことがゴールではなく、
「災害発生時に実際に取り出して使える状態」を
維持することこそが本質的な防災対策だという点です。


🚶 帰宅時の「危険度」を具体的にイメージできているか

セミナーでもう一つ強く印象に残ったのが、
「オフィスから自宅までの帰宅経路にどんなリスクがあるか」
という視点です。

備蓄品の話は多くの企業がすでに検討していますが、
「実際に歩いて帰るとしたらどこが危ないか」
まで踏み込んで考えている企業は、
まだ少ないのではないでしょうか。

帰宅時に想定される主なリスクは次の通りです。

  • ブロック塀・自動販売機・電柱・ガラス張りの建物など、
    倒壊・落下物のリスクがある場所
  • 火災延焼のおそれがある木造密集地域
  • 駅周辺での群集事故(一斉帰宅による混雑・転倒)
  • ヒールや革靴での長距離移動による身体的リスク
    (10kmを超えると徒歩帰宅は現実的に厳しくなる)
  • 夜間・悪天候時の視界不良による二次被害

内閣府が公表している
帰宅困難者対策ガイドラインでも、
発災直後は
「むやみに移動を開始しない」
ことが基本原則とされています。
救命・救助活動が優先される発災から72時間は、
安全な場所に留まる判断も
選択肢に入れる必要があります。
東京都が公開している
帰宅困難者対策ハンドブックでも、
あらかじめ帰宅開始の順序を定めた
「帰宅ルール」を社内で策定
しておくことが推奨されています。

企業としてできる備えとしては、
次のようなものが挙げられます。

  1. 自社から最寄り駅、最寄り駅から
    社員の自宅までの経路を、
    あらかじめ地図で確認しておく
  2. 幅の広い幹線道路(帰宅支援対象道路)を
    優先ルートとして共有しておく
  3. 徒歩帰宅訓練を一度実施し、
    実際に歩いて危険箇所を体感してもらう
  4. スニーカーなど歩きやすい靴をオフィスに常備する
  5. 家族との安否確認方法を
    複数用意し、事前にテストしておく

これらは特別なコストをかけずに、
社内周知だけで始められる対策です。
備蓄品という「モノ」の備えと合わせて、
「経路」という情報の備えもセットで考えることが、
実務上は効果的だと感じました。


📋 事業継続力強化計画(BCP)とは?9月の見直しで意識したいこと

そもそも
「事業継続力強化計画」という言葉に
馴染みのない方も多いかもしれません。

これは、中小企業庁が所管する認定制度で、
中小企業が自社の災害リスクを認識し、
防災・減災対策の第一歩として
取り組むための計画を国が認定するものです。

認定を受けると、
防災・減災設備の税制優遇や
補助金申請時の加点など、
複数のメリットを受けられます。

弊社リテラスFPパートナーズは、
この事業継続力強化計画の認定を受けている事業者です。

認定は取得して終わりではなく、
平時から計画に基づいた訓練や見直しを行い、
実効性を高めていくことが求められており、
弊社も9月に見直しのタイミングを迎えます。

今回のセミナーで得た気づきは、
計画の見直し時にそのまま反映できる内容でした。

  • 備蓄品リストを「量」だけでなく
    「置き場所の分散」の観点で棚卸しする
  • 従業員の通勤経路データをもとに、
    帰宅リスクの高いエリアを個別に把握する
  • 車両を保有する部署については、
    車載備蓄も計画に明記する
  • 訓練実施の頻度と内容を、
    より実践的な徒歩帰宅訓練を含む形に見直す

事業継続力強化計画の認定を受けている企業は、
こうした見直しを定期的に行うことで、
災害時に「使える備え」であり続けることができます。

認定を受けていない企業様も、
計画策定・見直しのタイミングで
ご相談いただければ、
保険の観点も含めてサポートが可能です。

なお、企業だけでなく家庭での備蓄についても、
以前「「全部揃えなきゃ」はもう卒業。家計を守る備蓄リスト
という記事でまとめています。
社員の方々のご家庭での備えを考える際の参考としても、
あわせてご覧いただければと思います。


✅ 企業防災セルフチェックリスト

最後に、
この記事を読みながら
そのままセルフチェックできる簡易リストをまとめました。
当てはまらない項目があれば、
見直しの優先度が高いポイントです。

  • 備蓄品は全社員分+来客分の余裕を持って用意できているか
  • 備蓄品はオフィス内と倉庫(または車内)に分散配置されているか
  • 停電時にエレベーターが使えないことを想定した保管場所になっているか
  • 社員の帰宅経路上の危険箇所を地図で共有しているか
  • 帰宅開始のルール(一斉帰宅を避ける順序など)を定めているか
  • 事業継続力強化計画(BCP)を策定・認定済みか、または見直しの予定があるか
  • 訓練を年1回以上実施し、計画に反映するサイクルができているか

まとめ

  • コンパクト備蓄キットは、
    オフィスの省スペース化と
    車載対応の両面で選択肢が広がっている
  • 備蓄という「モノ」の備えだけでなく、
    帰宅経路の危険度という「情報」の備えも重要
  • 事業継続力強化計画は
    策定して終わりではなく、
    定期的な見直しが実効性を左右する

企業防災や事業継続力強化計画(BCP)、
法人向け保険についてのご相談は、
リテラスFPパートナーズの
お問い合わせフォームまでお気軽にお問い合わせください。

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