2023年の供給状況からみる新築マンションの市場動向

2023年通年の新築マンション平均価格は過去最高値を更新しました。
東京23区では、価格が1億円を超える「億ション」が当たり前になり、
年平均でも1億円を突破しました。
一方、発売戸数は、2023年初に公表された2023年の供給見込みよりも
実際の供給が減少しており、
エリア別に見ると東京23区の供給は増加する一方ですが、
他のエリアの供給の減少が目立ちます。
こうした動きの背景には、
購入したマンションに実際に住む人の実需需要の減退があるようです。
例年住宅ローン控除を最大限に利用したい
需要層の購入が多くなる12月の初月契約率は70%を下回り、
また2023年通年の初月契約率は4,000万円超1億円以下でも70%を下回りました。
この契約率は前年比でも低下しており、
1億円未満では価格が上がれば上がるほど需要の減退が大きくなっています。
多くの住宅ローンの融資限度額は1億円であるため、
この契約率はローンを使ってマンションを購入する実需層の需要が
デベロッパーの予想よりも少なくなってしまったということを表しています。
しかし一方で、2億円以上の初月契約率は90%を超えていて、
2023年は9,000万円超1億円未満よりも1億円を超えるマンションの供給
割合の方が拡大している状況でもあります。
この価格帯の需要者は価格志向が異なり「1億円以下でお得であること」よりも
「億ションであることの特別感」に価値を置いているのかもしれませんが、
1億以上の価格帯購入層には「億ションであること」に価値を感じ実際に住む実需層と、
余裕資産の投資目的の層が混在していると考えられます。
実需層の需要が減退した結果、
1棟のマンションを完売させることは以前より難しくなっています。
しかし、用地高騰は当面続き、建築費も上がり続けるとみられます。
デベロッパーはマンションの販売価格を下げられないかわりに、
販売戦略を変えてきており、デベロッパーが採るこれらの当面の戦略は、
絶対数の多い実需層向けの供給戸数を減らす方向と考えられ、
2024年の首都圏新築マンション市場の市場規模はさらに縮むことが想定されます。
マンション購入を検討するにあたっては
こうした新築マンションの全体市況を踏まえつつ、
中古マンションも含めた広い視野をもって
エリア・価格帯をしっかり吟味する必要があります。
リテラスではそういったお客様へ最適な提案をさせていただきますで、
お考えの際は是非私どもにご相談ください。
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