高齢化社会に伴い広がるリバースモーゲージ
「リバースモーゲージ」という言葉をご存じでしょうか?
リバースモーゲージとは、
現持家を担保に金融機関から借入をし住み続けられるもので、
借入期間中は利息のみの支払を行い、所有者の死後、
担保となった不動産の売却等によって元本を返済出来るものです。
少子高齢化に伴い、老後資金の確保として、
リバースモーゲージの利用者は増加傾向にあるようで、
これが新たな老後破綻リスクとして注目されております。
利用増加の背景には、老後資金への不安があり、
リバースモーゲージの利点の【返済が利息部分のみ】という点から、
まだ持家の残債が残っている状態の方からすると
≪毎月の返済が減らせる≫として借り換えを行う方が多いようです。
総務省の家計調査では2022年の住宅・土地関連の負債は
世帯主が50代で1,067万円、60-70代も600万円前後となっており、
また、国土交通省の調べでは、
三大都市圏のマンションを初めて購入する平均年齢は上昇傾向にあり、
2022年度は39.9歳、35年で住宅ローンを組むと、完済は70代半ばとなり、
将来的に見ても高齢期のローン負担は増えていくと想定されております。
月々の返済額は減り、そのまま自宅に住み続けられるという利点もあるものの、
リバースモーゲージはあくまでも【返済が利息部分のみ】であり、
元金が減らないため、
返済が長引けば長引くほど(=長生きすればするほど)
支払総額は増える形になります。
また、変動金利での融資が多く、
借入期間中の金利上昇リスクも考慮に入れる必要があります。
男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きる時代、
60代で利用してもその後30年程度返済が続き、
介護施設への入居等で自宅に住まなくなった場合には、
減っていない元金とその時の売れる金額の差額分しか手元に残らず、
売却時の不動産市況によっては
身動きが取れなくなってしまうケースも想定されます。
リバースモーゲージ以外にも、
リースバック(ご自宅を売却し、そのまま賃貸借で住み続ける方法)等の選択肢もあります。
ご自身もしくはご両親の老後の資産形成として、
もしそのようなご相談がございましたら、
どのような形がベストかをご提案させていただくこともできますので、
お気軽にご相談くださいませ。
※図:日経新聞参照
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