ビッグモーターの保険金不正請求事件

こんにちは、代表の角です。
先月から世間を賑わせている中古車販売大手ビッグモーターの
保険金不正請求事件について取り上げてみたいと思います。
同社は顧客の車を故意に傷つけた上で、
保険金を水増しして請求するなどといった
不正行為を行っていたと言われています。
不正について調査した特別調査委員会の報告書によると、
同社が行った板金や塗装は年間約4万4700件(2021年)あり、
このうち同社が行った直近の8427件の自主調査では、
全体の約15%に当たる1275件で不正が見つかり、
保険金の水増し額は1件当たり
平均約3万9000円だったとのことです。
しかしながら、自主調査ではなく外部に依頼したサンプル調査では、
同社の整備工場では約44%に
「何らかの不適切な行為が行われた疑いがある」
ということです。
年間約4万4700件の44%に不正があったと仮定し、
1件約3万9000円で計算すると、
約8億円の保険金が水増し請求されていたことになります。
これらの不正請求によって、
私たちが支払う自動車保険料にも影響が出ていた可能性があります。
自動車保険の保険料は、
損害保険料率算出機構が発表する「参考純率」をもとに決められます。
「参考純率」とは
自動車保険など損害保険の保険料の目安となるもので、
同機構が会員の損保会社から収集した
大量の支払いデータなどを基に毎年度計算しており、
損保各社は参考純率を踏まえ、
経費などを上乗せして自社の保険料を決める仕組みとなっています。
自動車保険の参考純率は
契約者の事故などの保険金支払いが増えれば上がり、
支払いが減れば下がるため、
これまでビッグモーターが自動車事故の保険金を
水増し請求したことによって参考純率が上がり、
結果として自動車ユーザーが負担する
車両保険などの保険料も上がっていた可能性があります。
ビッグモーターと関係のない一般人にまで
影響が出ているこの事件、
金融庁と消費者庁は更なる調査を進める方針とのことです。
損害保険業界では、
ひと昔前は火災保険絡みの不正請求が問題になっていました。
制度の健全な維持・発展のためにも、
弊社としても適切な保険金請求のサポートを行っていきたいと思います。
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