タワマン節税改変が与える不動産市況への影響

国税庁は、マンションの相続税評価の見直しについて、
方針を固めました。
これにより、これまで相続対策として効果が高かった
タワーマンションの見方が変わってきます。
これまで、相続税対策として不動産が良いとされてきたのは
「資産の圧縮」ができるからでした。
例えば、1億円を現金で持って相続が発生すると、
1億円に対して相続税がかかりますが1億円で購入した
不動産を所有して相続が発生すると、
その時の「相続税評価額」に対して相続税がかかっていました。
この相続税評価額の見方が、階数などをあまり考慮せず、
土地の持分面積、建物の床面積だけを考慮する形で計算されており、
市場価格(実際の取引価格)の高いタワーマンションの
高層階であればあるほど節税効果が高い状況となっておりました。
実際にお客様にご検討いただいている物件などでも、
購入額(市場価格)と相続時評価額が30%前後になる物件がほとんどです。
つまり、現金で持っているより70%前後は
「資産の圧縮」ができるという状況です。
それが、2024年1月からマンションの相続税評価は、
(ざっくりいうと)「市場価格の60%」となります。
圧縮はできるものの、これまでの評価額の倍近くになり、
相続税対策のみで購入する旨味がそこまで無くなることになります。
ここ数年の不動産市況は、
都心を中心とした超高額帯の動きが牽引し周辺部・
郊外部の値上がりが続いております。
その超高額帯のメインプレーヤー(購入者)は
「海外勢を中心にした個人投資家・ファンド」と
「相続税対策をメインにした日本人富裕層」でしたが、
後者の数が大幅に減るのではと懸念されており、
それにより不動産市況が落ち込むのではと言われております。
ただ、私個人の考えとしては、
「超高額帯のメインプレーヤーである
海外勢の勢いはまったく衰えていない点」
「圧縮率は下がるものの、
相続税対策はできる上に不動産は現物資産として残る点」
の2点から、
そこまで大きな影響はないのではと思っています。
海外勢に関しては、
海外不動産の値上がりに比べれば日本はまだまだ
魅力的な市場であると考えられており、
相続税対策に関しては、
これまでの不動産が相続税対策として良すぎただけで、
他の相続税対策と比べて同じくらいの効果になるだけの話で、
現物として手元に残る不動産の人気は衰えないのではと思います。
ただし、今後、人口が減っていく日本においては、
「貸しやすい・売りやすい不動産」と
「貸せない・売れない不動産」の勝ち組・負け組が
はっきりしてくるかと思います。
これは、都心に限らず、
その周辺部・郊外部でも顕著になってくると思います。
購入を検討されている方は、
ぜひお気軽にご相談くださいませ。
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