円安による今後の不動産価格
日米の金利差や、日本の貿易収支が赤字になったことで円売りが進み2022年4月には、
1ドル=130円台に突入し、ITバブル崩壊後の2002年5月以来約20年ぶりの安値水準となりました。
このまま円安が続けば、エネルギー、食品、原材料などを輸入に頼っている日本では、
輸入価格が上昇し、さらにインフレが進むという悪循環に陥ることになります。
すでに電気代、ガス代、食料品などで値上げが相次いでいますが、
輸入品を中心にさらに価格が上昇していく可能性があります。
この円安の影響は不動産にもあります。
不動産は「土地+建物」で値段が決まります。
土地については国内(円)で取引される限り、円安の影響を直接受けることはありません。
しかし問題は建物です。日本では多くの建材(木材・鉄など)を輸入に頼っており、
住宅設備の多くが海外で生産されています。
こうした輸入品は円安によって価格が上昇しますので、ダイレクトに建築費が上がります。
つまり円安は建築費の上昇を通じて、不動産価格の上昇につながるということです。
分譲マンションの場合には一般的に用地を仕入れてから1年の間に着工します。
鉄骨は着工の半年ほど前までに発注し、
着工約3カ月前までに材料が納品されて現場に搬入できるよう製作を始まるため、
これから着工を開始する新築マンションにはこの円安の影響がダイレクトに価格に影響されることとなるでしょう。
また、円安になると海外(外貨)から日本(円)への投資は有利になります。
世界的に見れば日本の不動産は割安と見られているので、
海外投資家に人気の都心エリアや地方都市などでは価格が上昇する要因になります。
最終的に不動産価格は需給関係で決まりますが、人気のあるエリアを中心に、
円安によるインフレの影響が今後もまだまだ不動産価格を上げていくかもしれません。
関連記事
コメントを残す