2つのデータから考えるこれからの備え

厚生労働省が公表した2つのデータから
これからの「がんとの向き合い方」や「備え方」について考えてみます。
2026年2月、厚生労働省は全国がん登録に基づく
「2018年に診断された人の5年生存率」を公表しました。(表1)
15歳以上では次のような結果が示されています。
「がん=同じ」ではなく、部位によって見通しが大きく異なることがわかります。
なお、2016年の5年生存率と比べて生存率が+5%以上変化したものを
「上昇」または「低下」と定義すると、
上昇や横ばいの部位がある一方で、
低下に該当する部位はありませんでした。
こうした結果から、がん治療は日々進歩していることがうかがえます。
また、厚生労働省がこのような調査を公表する目的は
患者さんへの情報提供だけではありません。
治療の進歩や検診・診断体制の状況を
全国で同じ物差しで確認し今後の対策につなげるという狙いもあります。
確かに「5年」という共通の基準で数値化されることで
部位ごとの特徴が比較しやすくなります。
ただしこの「5年生存率」については、正しい理解が必要です。
「5年生存率=完治した割合」ではありません。
5年生存率は「診断から5年後に生きている人の割合」を示す指標です。
つまり、「治療が終わり、再発なく完気に過ごしている人」だけでなく、
再発したものの治療を続けながら生活している人、
治療を継続しながら5年を迎えた人も含まれます。
「生存している」と「治っている(再発の心配がほぼない状態)」は、
必ずしも同じではないということです。
がん治療の進歩により5年生存率は向上していますが、
その中には経過観察や通院が長く続いているという方も含まれているのです。
2つ目のデータは、
厚生労働省が令和6年12月24日に公表した
最新の健康寿命(令和4年調査分)です。(表2)
健康寿命とは、
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく自立して健康的に生活できる期間」ですが、
注目したいのは平均寿命との差です。
このデータから、医療が進歩している現代でも、
「長生き」と「元気に暮らせる期間」の間には、
男性で約9年、女性で約12年のギャップがあることがわかります。
この差の期間は、病気の療養や介護を必要とする状態で
過ごす可能性があるということを示しています。
「長生きの中でのリスクに備える」がんの5年生存率が高まるということは、
5年後に生存している方が増えていることを意味します。
これはとても喜ばしいことですが、
一方で治療や通院を継続しながら
5年を迎える方も含まれているという点も
しっかりと理解しておく必要があります。
がん治療は入院や手術だけで終わらず、
通院・抗がん剤治療・放射線治療・検査・経過観察などが長期に渡り続くことがあります。
高額療養費制度があるとはいえ
以下のような保険適用外の出費が発生し、
生活費に影響を及ぼすこともあります。
①通院の交通費や差額ベッド代、付き添いの費用。
②家事の外注費や日用品の増加による支出。
特に年金生活を送る高齢者にとっては、
こうした負担がより深刻になりやすいのが現実です。
また、平均寿命が延びる一方で
病気の療養や介護を必要とする期間が生じる可能性も高まっています。
このような背景からこれからの「がん保険」や「医療保険」は、
「入院日額」だけでなく、通院や長期治療に対応できる
保障内容かどうかという点が、とても大切になります。
是非一度ご自身やご家族が加入している保険の内容を確認してみてください。
保険はわかりにくい点も多いので、
私たちがお手伝いさせていただきます。
いつでもお気軽にお声がけください。

(表1)2018年全国がん登録 5年生存率報告 厚生労働省
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(表2)「健康寿命の令和4年値について」「令和4年簡易生命表の概況」厚生労働省
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