【中古マンションの管理費・修繕積立金上昇】

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は
首都圏における中古マンションの管理費と修繕積立金に関する調査の結果を公表しました。
2023年度に成約した中古マンションの戸当たり平均をみると、
月額管理費は1万2831円(前年度比2.8%増)、
月額修繕積立金は2万4738円(前年度比3.3%増)に、それぞれ上昇しています。
1㎡当たりの平均で見ると、月額管理費は201円(2.1%増)、
月額修繕積立金は187円(3.1%増)となり、
合計は388円(2.6%増)となりました。
マンションの管理費は、日々の管理業務に使われるもので、
共用部の清掃・点検、水道光熱費等に使われ、管理会社への委託料も含まれています。
修繕積立金は、建物の大規模修繕工事を実施するために積み立てられており、
都度必要になる共用部分の修繕費にも当てられます。
まず管理費については、総戸数50戸未満・200戸以上といった規模のもの、
築10年以内の新しいもので高くなっていることが見られました。
50戸未満の小規模マンションでは分担できる戸数が少ないため
1戸あたりの負担額が割高になる傾向にありますが、
一方で、大規模なマンションでは共用施設が多くなる場合もあるため、
その維持管理にかかる費用が高くなるといったケースもあります。
また、近年では人手不足による人件費の高騰、
水道光熱費の著しい値上げといった問題もあるため、
これらは築年数の新しいマンションほど管理費が高くなる要因にもなっています。
次に修繕積立金については、50戸未満の小規模なものはやはり規模感の影響が出ています。
管理費とは反対に、築年数の経っているものより
築10年以内の新しいものの方が安くなっている傾向が見られますが、
「段階増額積立方式」により当初の修繕積立金の額は抑えられており、
値上げされる前の金額の事例が多いという事情が大きく関係しています。
人件費・材料費・建築コスト等、修繕にかかる費用が軒並み値上げしている昨今の状況を考えると、
今後値上がりしていくことは明らかで、
管理費同様、戸数やマンションの設備仕様によっても差が出てくる部分になります。
様々なものが値上がりする現状において、
マンションに欠かせない管理費・修繕積立金の値上げも
避けては通れない問題になります。
これらは所有しているオーナーには必ずかかってくるランニングコストになりますので、
これからマンションを購入する方も、
今現在所有している方もしっかりと確認をすることが大切です。
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